「バーボンウイスキー」のお話し
「バーボン」といえば、沢田研二の「勝手にしやがれ」の歌詞を私は思い出すのですが(古いですね…)、皆さんは何を思い浮かべますか。
男の酒、ワイルド、アルコールが強い、映画好きななら松田優作さん、最近ではCMの影響でローラさんを思い浮かべる人もいるかもしれません。
今回は、バーボンウイスキーについてのお話です。
「バーボン=ケンタッキー州」のイメージ強く、「ケンタッキー州で作られたウイスキーしかバーボンと呼べない」と思われている方も多いのですが(実は私もその一人でした)、調べてみると「アメリカ合衆国で作られたものは全てバーボンと名乗ることが出来る」と米国連邦規則集27条では定められています。
例えばテネシー州で作っている「ジャックダニエル」も実はバーボンウイスキーなんですね。(ジャックダニエルの場合は差別化を図るために、あえて「テネシーウイスキー」と呼んでいます。)
バーボンの定義をもう少し詳しく書くと下記の様になります。
◆アメリカ合衆国内で製造されている。
◆原材料のトウモロコシの含有量は51%以上である。
(その他原材料はライ麦、大麦、小麦等が使われており、この比率で味わいの違いが生まれます。)
◆新品の炭化皮膜処理されたオーク樽を製造に用いる。
(内側を焼き焦がした新樽を用いることが条件なので、バーボンには再利用できません。が、使われたバーボン樽はなんとスコッチウイスキー等の熟成樽に使われています。)
◆アルコール度数80%以下で蒸留されている。(連続式蒸留)
◆熟成のために樽に入れる前のアルコール度数は62.5%以下である。
(樽詰め前の原酒のことを「ニューポット」と言います。ワイルドターキーのニューポットを試飲したことがありますが、めちゃくちゃスッキリした甘めのジンでした。)
◆製品として瓶詰めする場合のアルコール度数は40%以上である。
(加水して調整します。バーボンの製造では弱アルカリ性の硬水であるライムストーン(石灰石)ウォーターを使っており、それが力強い味わいを生んでいます。)
また、2年以上熟成させたものを「ストレート・バーボン」(市場に出ているものは3年以上寝かせているものがほとんどなので「ストレート・バーボン」を使う事はあまりないかも・・・)、一つの樽から瓶詰めしたものを「シングル・バレル・バーボン」と呼んでいます。
(「スモール・バッチ・バーボン」と呼ばれるものもあります。これは、出来上がった樽が少量で、その少量の樽どうしを5から10種類ブレンドし、しかも味や個性を均一に仕上げる難しさから高級品となっています。)
合衆国の何処で作られてもバーボンだと言っても、名前の由来は、ケンタッキー州バーボン群からきていますし、その殆どがケンタッキー州で製造されているとのことなので、「バーボン=ケンタッキー州」のイメージは大きいですね。
モルトウイスキー等と比べるとガツンと来るテイストのものが多いのですが、まろやかで繊細なものもありますので、女性の方にも楽しんで頂きたいお酒です。
是非、おためしください。
では、また、Bar Mでお会いいたしましょう。
【補足】
※ラベルに記載されている"80"や"101"の数字はアルコール度数を示しており、数字を1/2したものが具体的な度数になります。
※コーンウイスキー:原材料のトウモロコシの含有量が80%以上であること。尚、成熟させる義務はないが、新しい内側を焦がしたオーク樽で2年以上成熟させるとバーボンとなる。
※ライウイスキー:原材料のライ麦の含有量が51%以上で、製造方法がバーボンと同じもの。
※「ストレート」や「シングンバレル」はバーボンウイスキー特有の呼び名です。ウイスキーでは「シングルモルトウイスキー」との呼び名が有りますが、こちらは、一つの蒸留所で作られたモルトウイスキーとなります。
詳しくは、『「ウイスキー」のお話し』にて
※松田優作が愛したバーボンは「OLD CROW」でした。
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